杭州の友人

今回杭州へ行った最大の理由、それは一人の友人に会いたかったからです。乌咖啡さんです。
 

 
彼と出会ったのは、このブログでの交流がきっかけです。一度直接会ってお話しましょうと彼から提案があり、大阪・梅田の喫茶店で2時間ほどお話したのが去年の4月。それからおよそ1ヵ月後に彼は中国へと帰って行ったのでした。ですから、彼と会ったのはその1度だけ。でも、それで十分だったと思っています。互いの人生を理解するには時間が短すぎたかもしれませんが、互いの人となりを理解するにはそれだけでも十分だったということです。
 
私が感じた彼の印象は、とても大人びているというものでした。彼はすでに日本人の奥さんと結婚していましたが、奥さんは単身中国で暮らしていて、互いが相手の国で一人暮らしという少し奇妙な夫婦生活でした。彼は3年間の日本生活を通じて、日本の社会、日本人の気質のことも熟知していたようでした。日本人の優しさも醜さも目の当たりにしてきたという印象でした。彼がとても孤独であるように感じました。でも彼が決して自分の世界に閉じこもっているのでもなく、他人に対して興味がないのでもなく、独りよがりでもないのです。私が思うのは、日本人と中国人の人間関係の距離感の違いなのです。やはり日本人の方が他人との距離を置こうとすることが多いのです。彼の器量をしっかりと受け止め、理解しようとする日本の友人が現れなかっただけなのです。そういう意味ではまだ会ったことがありませんが、彼の奥さんはかなりの器量の人だと思います。
 
彼の夢は、中国で喫茶店を開くというものでした。彼は何よりもコーヒーを愛していましたし、コーヒーのある景色、空間を愛していました。大阪に住んでいた頃は梅田や京都の喫茶店に足繁く通っていたそうです。喫茶店を開いて、学生や多くの人たちが集まる交流の場にしたいという彼の言葉が印象的でした。その彼が念願の店をオープンさせたのが去年の冬、しかもお茶の町、杭州でコーヒーのこだわりの店というから、面白いじゃないですか!それで、彼の店をどうしても見に行きたくなったというわけです。
 結局私たち夫婦は杭州滞在の4日の間、最終日を除く3日も彼の店に足を運びました。彼の自慢のコーヒーなどを飲みながら、互いの近況を話し合ったり、暮らし向きや店の経営のことを話題にしたり、とてもゆったりとしたいい時間を過ごさせていただきました。彼は忙しい時間の中、私たちとの会話に精一杯の時間を取ってくれましたし、近所の流行っている創作料理のレストランでご馳走してくれたり、心づくしに私たちを歓待してくれました。残念だったのは、彼の流暢な日本語にばかり頼って、gongziはともかく、私はほとんど中国語を話さなかったことでしょうか…
 
次回は彼の店の雰囲気と彼の店にやってくる地元の若い人たちについて紹介したいと思います。
(xiong2)
カテゴリー: 私たち夫婦の中国行き パーマリンク

杭州の友人 への10件のフィードバック

  1. yazi より:

    明明も大学時代、日本人の学生たちとの距離を感じて悩んでいた時期がありました。
    今となっては懐かしいですけど、当時は本気で辛かっただろうと思います。
    何年もかけて、日本人的人付き合いの間合いの取り方や空気に溶け込むすべを彼なりに模索してきたようです。
    こういった経験って、実際経験しているのと、ただ頭で理解しているのとでは全くちがって、かけがえのないものですよね。
    同じ日中カップルとしては彼らに好奇心をそそられます。
     
    あぁ本当に、このブログは「出会いの宝石箱や~」なんちゃって
     

  2. xiong2_gongzi より:

    yaziさん:
    あー、彼もそうだったんですね。きっと並々ならぬ努力だったことでしょう。
    逆に日本人が中国で暮らすと、中国人の間合いの詰め方に戸惑うのだそうです。
    それもこれも文化の違いですが、それで終わってしまうのではなく、自分の気持ちを
    素直に相手に伝える、そういう姿勢を忘れずにいい関係をたくさん築き上げて
    いきたいですね。(xiong2)

  3. しずく☆ より:

    ご友人の方とてもステキですね♪
    どーゆー出会いにしろ、後々理解し合える友人になるって事はとても素晴らしいです。
    外国人と付き合っていくには、確かに文化の違いから理解し難い事もありますけど
    それをお互い主張するのではなく尊重し合える人間同士でありたいといつも思ってます。
    日本人同士でも理解出来ない事も珍しくないですからね^^;

  4. xiong2_gongzi より:

    しずくさん:
    日本人は本当は、他人を尊重というのが苦手なのではと、最近になって思うようになりました。横並び意識の強い社会で、互いにさほど主張もせず、どうして相手のことが理解でき、尊重できるでしょうか。
    中国は13億もの多種多様な人が暮らし、互いにもみくしゃにされ、自分を主張しなければ生きていけない厳しい社会です。そこが日本人と中国人を分かつ激しい文化の違いでもあるのですが、彼らの生き様や主張はさまざまで、すべてが個性にあふれています。私自身も自分と相容れない人もいれば、憧れ敬うべき人もいるのです。それが中国の魅力だと思っています。(xiong2)
     

  5. 響子 より:

    一つの目標を向かって頑張っている友人は素晴らしいですね!
    しかし、ご夫婦でそれそれ相手の国に「単身赴任」しているのもいい根性してますね!
    私もコーヒーが好きで、喫茶店を開くことが夢でしたが、
    ここまで根強く追求していないから、成功できなかったかもしれない・・・
    今度杭州行く機会があったら一この店行ってみたいね!

  6. xiong2_gongzi より:

    響子さん:
    いや~、今の響子さんは病気との厳しい戦いを続けていらっしゃって、根性が無いわけないですよ。
    でも、彼が根性あるのは確かですね。ぜひ杭州にお寄りの際は行ってみてください。彼の家の居間に
    いるような雰囲気のお店です。
    (xiong2)

  7. 陽子 より:

     
    喫茶店でコーヒー飲みながら好きな友達と
    ゆったり!! ですか~(*◠◡◠*)
    普段の忙しい生活を忘れられる時ですね。
    それにしても4日中3日もお店に通ったんですね!
     
    そ~れは お友達も嬉しかったでしょうね(^ー^)
     
     
     
      

  8. xiong2_gongzi より:

    yokooさん:
    お店に来てほしかったのは、彼のほうもなんですよ。
    それにお店にいる他の人たちの様子も見ていて飽きませんでした。
    (xiong2)

  9. - より:

    素敵なお店のオーナーですね(超男前ですね)私が杭州で働いていたら、確実に通っていると思います。^^;。
    昔は、スターバックスもない頃は上島珈琲が一番おしゃれというイメージでしたが、今ではいろんなお洒落なカフェができてるでしょうね。
    また、訪れてみたいです。
     

  10. xiong2_gongzi より:

    しほりさん:
    ん~、たしかに彼は男前ですね。私とはエライ違い。
    お洒落な店はたしかに多くなっていますが、この店はオーナーを知ってるだけに
    彼のこだわりというものを店の随所に感じられて、それがいいんですよね。
    たぶん、彼が暮らしていた関西の喫茶店のエッセンスも入っていると思うんです。
    どうでしょう!?(xiong2)

コメントを残す