ある運ちゃんとの会話

台湾に来るとタクシーをよく利用します。気ままにタクシーの運ちゃんと会話するのも旅の楽しみの一つです。

 今日乗ったタクシーの運ちゃんは、50代後半から60代ぐらいでしょうか。わざわざ日本語で歌うテレサ・テンの曲を流してくれました。日本語は全く話せませんが、お母さんが日本人でお父さんも日本の学校に行ってたということです。

 「台湾に来る日本人は多いでしょう?」「最近は減ったね。大陸から来る人がものすごい勢いで増えてるよ」

 とにかく、大陸の人が嫌いという人でした。「礼儀を知らん」「年長者を敬わない」「不動産を買い漁る」「中国と台湾は別の国だ」立て続けに出てくる批判…

 私は大陸も台湾も好きですから、こういう話を聞くとあまりうれしくありません。確かに行儀が悪い人もたくさんいます。ましてや団体で旅行に来ると、そういう性質が際立つということもあります。私の友人にはそうでない人もいます。とても複雑な気持ちになります。

 2年前、中国から大阪へ留学している友人二人と台湾へ一緒に旅行しました。彼女たちが何か嫌な思いをしないかと心配でしたが、そういうことは全くなく、多くの台湾の方が彼女たちにも温かいもてなしで迎えてくれました。互いが互いを尊重し、敬うことができるなら、それぞれからの視点で見た文化の違いを比較してみるのもまた楽しいです。私から見れば、台湾は大陸と日本の双方の性質を持ち合わせた全く別の文化を持っていると思います。当然そこで暮らす人たちも独自のアイデンティティを持っています。難しい政治の話は抜きにして、お互いに個人の資格で楽しく話し合いたいと思います。

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